東京都立中央図書館視察 2012年12月23日(日)

各国の大使館が立ち並ぶ麻布5丁目にその建物を構える東京都立中央図書館は、広尾駅から歩いて10分くらいかかるものの、オシャレなショップやレストラン、そして有栖川(ありすがわ)公園内の木々や池で戯れる鴨を眺めながら歩いているうちに、すぐに着いてしまうので、その距離はあまり気にならなかったというのが実際歩いてみて感じたところです。

 

愛知県立図書館も丸の内駅から10分ちょっと歩く距離にあり、立地としては東京都立中央図書館と同じですが、愛知県立図書館の方は10分間歩いていても、オシャレな店もなければ、情緒あふれる風景も何もなく、面白くもおかしくもない!というのが多くの人が感じているところだと思います。

 

それはさておき、愛知県の蔵書は120万册ありますが、東京都立中央図書館は180万冊、開架の冊数は35万冊で、愛知県とほぼ同じ冊数。人口の比率で行くと愛知県も頑張っているんだなということが分かります。

 

では利用のされ方というのはどうなのでしょうか?

 

東京都立中央図書館は、玄関に入るなり、入館許可証をもらわなければ中に入れないということと、荷物をロッカーに預け、中に持ちこむものはすべて、透明のバッグの中に入れなければならないという厳しい規則があります。

入るなり非常に緊張しました。

 

ビデオ、DVD視聴覚室で何かを観たいときには、受付の人に申請用紙を提出しないと、ヘッドホンをもらえないシステムになっていました。

2時間近く、DVDとビデオを視聴させていただきましたが、その間、他に視聴に来られた方はひとりもいませんでした。

もし閑古鳥がそこにいたなら、大きな声でずーっと泣いていたかもしれないです。

ここのセクションも観たい映像を前もって選んで、受付で申請用紙を提出しないと観させてもらえないシステムになっているので、またもや非常に緊張しました。

 

新聞、雑誌のセクションでは、全国の地域の主要な新聞のバックナンバーが豊富に取り揃えられていて素晴らしいと思いました。何十部もの過去の新聞をどーんと机に広げて、ページを忙しく大きな音をたててめくる人があちこちにいて、雑誌を手に取って読んでいた私は、前からも横からも聞こえてくる新聞をめくる大きな音でゆっくり雑誌を読むような雰囲気ではありませんでした。

でもよく考えるとこういった光景(何人もの人が過去の新聞をペンを片手にずーっと読みあさっている光景)は愛知県ではあまり見られない光景だと、ふと思いました。

 

公立図書館の役割を考える上で、どういったスタイルがいいのかというのは、その地域によってそれぞれ違うものだと思います。

愛知県は愛知県の特色を生かし、もっともいい方法で活用される道筋を探るべきですし、東京は東京で考えるべきです。

その他の地域も同様です。

 

ひとりでも多くの県民、都民、市民、区民に利用してもらえる図書館であろうとするならば、まだまだ改革の余地はいずれの図書館にしてもあると思います。

 

本離れを危惧し、一人でも多くの市民、県民に本に親しんでもらう意図で図書館を存続させるのであれば、もっと娯楽性に富んだ施設に改善するなり、インターネットをもっと活用して資料を調べたり、読んだりできるデジタル化を推進するべきだと思いますし、専門性だけを追求するならば、もしかしたら今のままでいいのかもしれません。

 

どちらの方向に向かって進んでいくのか、もう一度市民、県民に積極的に問うていく必要があるのではないでしょうか。

市民県民の貴重な税金をたくさん使って運営しているのですから・・・。

 

yk

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