公立大学法人 国際教養大学視察        2012年5月31日

24時間オープンの国際教養大学の図書館
24時間オープンの国際教養大学の図書館

<視察内容>

 

●グローバル人材育成について


秋田県の空港から程近い、美しい秋田杉に囲まれた、のどかな環境にたたずむ国際教養大学に視察に行って参りました。

 

こちらの国際教養大学は、2004年に開校したまだ8年目の新しい大学。

 

授業はオールイングリッシュ

 

国際教養大学は、国際的に通用する人材を育てるために、これまでにはなかったまったく新しい教育プロジェクトを開発。授業はすべて英語、在学中に提携大学への1年間の留学海外からの留学生との寮生活1なども卒業するための必修項目とし、就職難の今日でも就職率100を誇る大学で、国内だけではなく、世界からも注目を浴びています。

 

日本で初めての試みであるこの国際教養大学開設にあたっては、中嶋嶺雄学長は様々な問題に直面してきましたが、すべてのハードルを乗り越え、非常にユニークですばらしい教育システムを確立されました。

 

 

今回の視察は学内施設、授業見学、愛知県出身の在学生との面談、大学創立者でもある中嶋嶺雄学長との面談もさせていただき、とても内容の濃いものとなりました。

 

1. 国際教養大学施設の見学

2. 授業見学

3.   愛知県出身の学生との面談

4.   中嶋嶺雄教授との面談

 

 

学内の図書館は日本で初の24時間オープン

これを実現させるのにも国からの認可を取るのが非常に大変だったということです。

 

海外からの留学生はアメリカを始め、台湾、イギリスなど25か国から163人にものぼります。入学も海外と合わせて、4月、92回あり、2セメスター制(2期制)をとっています。

 

国際教養大学の学生には、これまでこれほど勉強したことがない!というほど多方面に渡るテーマに向き合ってもらうそうです。厳しい教育プログラムを修了した卒業生は、世界を舞台に活躍できる人材として羽ばたいていくということです。

 

本大学が就職率100を誇るというのも特筆すべきことだと言えます。(日本を代表する数々の大手企業のリクルート担当者が、国際教養大学のキャンパスにまで赴いて、個々の生徒に会社説明を行なっているそうです。)

 

この大学に入学した学生がみんな最初から英語を聞いたり話すことができたのか、と言ったらそうではないそうです。

殆どの学生は、日本の中途半端な英語教育で学んできたので、自由自在にコミュニケーションが取れるわけがありません。ですから、入学後の数ヶ月間はまず、週20時間の『英語集中プログラム(EAP)』が課せられ、読み書き、聞き取り、会話の他、講義の聞き方やノートの取り方までを徹底的に英語漬けの授業でたたき込まれます。

 

留学も英検準1級程度に相当するTOFELテスト550点以上取らないと許可されません。

そんな訳で生徒達は入学すると、朝から晩まで英語漬けで勉強せざるを得ないのです。

 

・・・ひとつ感じたことですが、高校までの英語教育で英語で普通にコミュニケーションを取れるレベルに達していれば、大学に入ってから、粒々辛苦で英語漬けの詰め込み授業など受けなくても、すんなり、英語で単位を取るための授業を受けられる!!ということです。

 

日本の英語教育が、小・中・高・大学の一貫教育を徹底し、それぞれの年代のステージでレベルアップして行くように総合性を持ったプログラム、あるいはカリキュラム改革をして行かない限り、本当の意味でのコミュニケーションツールとしての英語を使いこなすことはできないし、世界で通用するグローバル人材育成はできない!と強く思います。

 

たくさんの問題を抱えた日本の英語教育の現状においてでも、中嶋学長がここ秋田の大自然の中にたたずむ小さなまちで、グローバル人材育成の種をまき、たくさんの小さな芽が世界に向かって大きく育とうとしていることは、これからの日本の方向性をも左右するほど大きな意味を持つものだと感じました。

 

yk